KIDS SMILE LABOでは、卒園を迎える年長児たちが毎年「器への絵付け体験」に挑戦します。
私たちが大切にしている「食」。その時間を支える大切な存在のひとつが器です。子どもたち自身が白い器に向き合い、思い思いに彩り、世界にひとつだけの食器を完成させていきます。
それは単なる制作活動ではありません。
小学生になってからも、「食べる」という営みを大切にしてほしい。そんな願いを込めた、園からの贈り物です。
絵付け当日。初めて訪れる陶磁器工房の空気に、子どもたちは少し緊張した面持ちでした。しかし、筆を持ち、器に触れ、色を重ねていくうちに、次第に表情がやわらいでいきます。やがて訪れるのは、深く静かな集中の時間。周囲の音さえ遠のくような、豊かな没頭の世界です。
描かれるのは、好きなものだったり、ふと心に浮かんだ形だったり。手の動きとともに、子どもたちの内側にあるものが器の上にあらわれていきます。その過程そのものに、これまで当園が大切にしてきた日々の積み重ねが映し出されているように感じます。真剣なまなざしに、私たち大人も思わず引き込まれてしまいます。
焼き上がった器は、KIDS SMILE LABOの食を共に支えてくださっている2343 FOODLABOへご招待いただく卒園ランチの席で初めてお披露目となります。自分の器に料理が盛りつけられ、友達と囲む食卓。その光景は、子どもたちの心にきっと長く残ることでしょう。
「体験して終わり」ではなく、その前後のつながりまで丁寧に紡いでいくこと。そこにこそ、子どもたちの育ちを支える意味があると私たちは考えています。
絵付け体験は、子どもたちにとっても、そして私たち保育者にとっても、感じ、考え、これまでとこれからを結ぶ時間。一つ一つの器には、確かな育ちの記憶が息づいているのです。


